かわごえ 巨樹・古木めぐり

木々が語りかける昔話に耳を傾けよう

川越には昔が偲ばれる建築物や文化財がたくさんあります。それらを求めて散策する人はたくさんいますが、ここに紹介する巨樹・古木を知る人はあまりいません。中には樹齢600年を超える古木も存在し、まさに歴史の生き証人。ふだん何気なく通りすぎていたあの大木も歴史を知ると何となくいとしくなるもの。さあ、今度の休日、マップ片手に一味違う散策をしませんか?
※主な観光エリアに近く、2~3時間で周れるコースです。

巨樹・古木マップ

1. 川越八幡宮の縁むすびのイチョウ

東武・JR川越駅もしくは西武線本川越駅をスタートとして約7~8分歩き、市内随一のショッピングエリア”クレアモール”の一本東側の道にひっそりとたたずむ川越八幡宮。境内に入ると本殿左側にすくっと立つイチョウの木があります。実はこの木、昭和8年に平成天皇のご誕生を記念して植えられたとの事。その男イチョウと女イチョウの2本がいつの間にか寄り添うように1本に結ばれたということから「縁結びのイチョウ」とされ、親しまれています。

2. 三変稲荷神社のムクノキ

川越に古墳があるなんてご存知でしたか?この市内最大のムクノキはなんと4世紀後半の方墳の上に立っています。これぞ古木!という感じで風格があり、祠(ほこら)の裏にあるせいか神々しささえ感じます。見上げると登りたくなるような枝振りで、鳥のさえずりも耳に心地良く、そよ風を受けてつい時間を忘れてしまうほどの名木です。

3. 中院のシダレザクラ

3. 中院のシダレザクラ

開放的な雰囲気で四季折々の花が楽しめる人気の中院。本堂右手に立派なシダレザクラがあります。開花の時期にはライトアップされ、多くの花見客でにぎわいます。樹木自体の価値もさることながら、境内の統一された様式美がそれをさらに引き立てます。また、このお寺には島崎藤村の義母の墓があります。川越には幾度か足を運んだ藤村。優雅に立つ桜の姿に文豪も心癒される時があったのでしょうか。庭園には他にも見るべき樹木があり飽きさせません。

4. 喜多院東照宮のエドヒガン(サクラ)

拝殿に登る石段の前で木の柵に守られているのですぐ分かります。開花の時期にいつも大きなサクラだなあと思っていましたが、市内では最大級との事。樹皮に苔をまとう姿は気品もあり、川越城主・松平信綱の時代の植樹から”信綱桜”とも呼ばれています。シダレザクラはエドヒガンが変化したものです。新緑や紅葉の時期も見事で、喜多院には他にも目を見張る樹木がたくさんあり、つい時間を忘れてしまいます。

5.富士見櫓(やぐら)跡のクスノキ

本丸御殿から程近いものの、あまり知られていない場所ですが、うっそうと茂る木々にプチ森林浴を楽しめます。土塁の中段(東南の角)に立つクスノキ、堂々たる幹周りと枝振りの造形美はまさに横綱級です。本丸御殿は訪れてもここには行かないという方も多いとも思いますが、何とももったいない。ここのクスノキに魅せられるあなたはもう立派な巨樹・古木マニア!

6.三芳野神社のクスノキ

6.三芳野神社のクスノキ

童唄「とおりゃんせ」発祥の地として有名な三芳野神社。本殿右側のこのクスノキも風格ある根元を見せつけています。”いつからそこにいるの?”と語りかけたくなるような存在感で、古くから天神様にお参りに来る人を迎え、とおりゃんせ~♪と遊ぶ子供たちを見守ってきたのでしょう。落ち葉を拾って、手のひらで少し揉みほぐしてみてください。昔はこれが原料だった樟脳の香りがします。そうです、あの衣装ダンスの防虫剤の匂いです。

7.県立川越高校のクスノキ

ここまで来たら是非、このクスノキもご覧ください。映画”ウォーターボーイズ”の男子シンクロで全国的に有名になりましたが、もともと県内屈指の進学校です。その演技が行われる文化祭の名称が「くすのき祭」というくらいこの高校のシンボル的存在で、正門に鎮座する姿は大木の貫禄十分です。

8. 氷川神社のケヤキ

8. 氷川神社のケヤキ

川越の総鎮守であるこの歴史ある神社は、縁結びの神様として知られ、一年を通して人を集めています。と同時に実は多くの巨樹を見ることができる場所でもあります。本殿の右奥にしめ縄をつけたケヤキをはじめ、モミの木やスダジイがあり、いずれも威風堂々とした姿でそびえ立っています。

9. 鴉山(からすやま)神社のケヤキ

菓子屋横丁に寄って、蔵づくりで有名な一番街の裏側を少し歩くとそこには市街地最大のケヤキがあります。明治26年の川越大火のときに上部分が焼けて割れてしまいましたが、枝振りと幹周りは一見の価値ありです。地元の人にもこの木はあまり知られていないのではないでしょうか。これまた歴史のありそうな神社の社殿とこの古木の横には川越まつりで使われる地元・仲町の山車が大事に保管されています。

10. 出世稲荷神社のイチョウ

10. 出世稲荷神社のイチョウ

駅にもどるように商店街を歩くとクレアモールの裏手に市内最大の巨樹であり天然記念物に指定されているイチョウが2本並んでいます。なんと幹周りがそれぞれ7.8mと5.7m。樹齢600年といわれ、あまりの大きさに圧倒されます。第2次大戦中、出征する人がこの神社にお参りをしてから行かれたそうです。600年前といえば室町時代。時の流れの中で、川越の中心地に立つこの大木はいったい何を見てきたのでしょうか。

参考文献:
川越市発行「かわごえの巨樹・古木・名木めぐり」
山と渓谷社発行「山渓フィールドブックス・樹木」

かわごえ巨樹・古木マップは
こちら
(PDF)

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